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傷病手当は退職後も1年半まで受取が可能!申請すれば後から失業保険(雇用保険)も貰えるやり方!

傷病手当金は、病気やケガなどの理由で働けない期間の生活を保障するために「健康保険から支給される手当金のこと」です。

基本的に、会社員で支給条件を満たせば誰でも受け取ることができ、退職後でも継続して受給できます。

受給できる期間は支給開始から数えて最長で1年6ヶ月間で、健康保険に加入している会社員で支給条件を満たしていれば誰でも受け取ることができます。

なお、傷病手当金の申請書類に「被保険者(自分)」「会社」「医師」それぞれが記入する項目があるということは覚えておきましょう。

自営業者等は傷病手当金が支給されない

また、傷病手当金が支給されるのは「全国健康保険協会管掌健康保険・組合管掌健康保険」の加入者だけです。

いわゆる会社員が加入する「健康保険」のことで、以下に該当する人は傷病手当金による保障が受けられません。

傷病手当金が保障されないケース

店舗経営などの自営業者
個人診療の医師、薬剤師など
税理士、行政書士などの個人事業主
農業、漁業に携わっている人
後期高齢者医療制度を利用している人
簡単に言えば、自営業者や個人事業主が加入する「国民健康保険」では傷病手当金が支給されないということです。

また、75歳以上の人が加入できる「後期高齢者医療制度」では、都道府県ごとに設置されている「後期高齢者医療広域連合」の条例によって、地域ごとで傷病手当金の支給可否が定められています。

上記に該当する場合でも地域の自治体によっては傷病手当金が支給される可能性もあるので、まずは一度確認してみるのが良いでしょう。

傷病手当金はパートでも受け取れる

原則として会社員が受け取れる傷病手当金ですが、以下の条件を満たして勤務先の社会保険に加入することができれば、パートタイマーでも傷病手当金を受け取れます。

パートタイマーが勤務先の健康保険に加入するための条件

1週間の所定労働時間、1か月の所定労働日数が一般社員の4分の3以上
1週間の所定労働時間が20時間以上(週5勤務で1日あたり4時間勤務)
賃金が月88,000円以上であること
勤務先に1年以上雇用されている
家族の扶養内に入っていないこと、または国民健康保険に加入していないこと
参照:パート・アルバイトの皆さんへ 社会保険の加入対象が広がっています|政府広報オンライン

また、2022年10月以降からは以下に当てはまる方も健康保険加入の対象となります。

パートタイマーが勤務先の健康保険に加入するための条件(2022年10月以降)

従業員数101人以上の企業で働いている
週の所定労働時間が20時間以上
月額賃金が8.8万円以上
2か月を超える雇用の見込みがある(フルタイムで働く方と同様)
学生ではない
参照:パート・アルバイトの皆さんへ 社会保険の加入対象が広がっています|政府広報オンライン

勤務先の社会保険に加入すると、健康保険による給付内容が充実したり、将来的に受け取れる年金が増えたりといったメリットがあります。

ただし、勤務先の社会保険に加入するためには「家族の扶養内に入っていないこと」または「国民健康保険に加入していないこと」が条件です。

扶養を外すための手続き(資格喪失の届出)や国民健康保険の脱退手続きを行う必要があるので、時間と手間がかかることを念頭に置いて手続きを行うようにしてください。

傷病手当金の支給条件

傷病手当金を受給するためには、以下の4つの条件を満たしている必要があります。

傷病手当金の支給条件

業務外の事由による病気やケガで療養している
労務不能と判断される
連続する3日を含む4日以上就労できない
休業期間中の給与支払いがない
それぞれの条件について、もう少しわかりやすくお伝えしていきます。

1. 業務外の事由による病気やケガで療養している

傷病手当金の支給条件、ひとつ目は「業務外の事由による病気やケガで療養している場合」です。

傷病手当金が支給されるのはあくまで「業務外の事由による病気やケガ」で、業務中の疾病やケガの場合は「労働災害(労災)保険」が適用されます。

傷病手当金と労災保険の両方が適用されることはないので覚えておきましょう。

また、近年増加傾向にある「うつ病」などの精神疾患でも支給されますが、美容整形など病気とみなされないケースでは支給対象外となるのでご注意ください。

2. 労務不能と判断される

傷病手当金の支給条件、ふたつ目は「労務不能と判断される場合」です。

「労務不能」と判断されるケースは療養中の状態や被保険者の仕事内容を考慮して、療養担当者(医師)の意見をもとにして判断されます。

自分の意見や判断で労務不能となる訳ではないので気をつけましょう。

3. 連続する3日を含む4日以上就労できない

傷病手当金の支給条件、3つ目は「連続する3日を含む4日以上就労できない場合」です。

「就労できない連続する3日間」のことを「待機期間」と呼び、待機期間が完成した4日目以降も就労できない場合に傷病手当金の条件が満たされます。

待機期間は有給休暇や土日祝日などの公休日も含まれるので、待機期間に関しては給与の支払いがあったかどうかは関係ありません。

ただし、待機期間中はいかなる場合においても傷病手当金が支給されることはないので気をつけましょう。

4. 休業期間中の給与支払いがない

傷病手当金の支給条件、最後の四つ目は「休業期間中の給与支払いがない場合」です。

もともと傷病手当金は、給与支払いがない休業期間中の生活を保障するための制度なので、給与支払いが発生する場合は傷病手当金の支給はありません。

ただし、給与支払いがあっても傷病手当金の支給額よりも少ない場合、その差額分を受け取ることはできます。

そのため、長期休業でその期間内の給与が支払われる場合においても、一度は傷病手当金の支給額を計算しておいた方が良いといえます。

傷病手当金の申請方法

冒頭でもお伝えしたとおり、傷病手当金を受け取るためには自分で申請手続きを行う必要があります。

申請手続きの手順は以下のとおりです。

傷病手当金の申請方法

STEP1
勤務先に長期欠勤の相談
STEP2
待期期間中に書類を取り寄せる
STEP3
申請書類の記入
STEP4
書類の提出

STEP1:勤務先に長期欠勤の相談

医師の判断で継続勤務が難しいと判断された場合、まずは、勤務先に長期欠勤の相談を行いましょう。

その際、有給休暇を使うのか、欠勤や休業中の給与の扱いについて確認を取るようにしてください。

STEP2:待期期間中に書類を取り寄せる

続いて、待機期間(連続した3日間)を完成させます。

待機期間中に「傷病手当金支給申請書」を取得して、準備を進めておきましょう。

傷病手当金支給申請書は健康保険証に記載されている保険組合や協会けんぽの窓口に連絡をすれば取り寄せられます。

STEP3:申請書類の記入

申請書類が手元に届いたら、必要事項を記入していきます。

書類には、勤務先と担当医師の記入項目もあるので、忘れずに記入してもらうようにしてください。

提出期限は「仕事を休んだ日(仕事につけなかった日)の翌日から数えて2年間」ですが、早めに提出するようにしましょう。

STEP4:書類の提出

申請書類が完成したら以下の窓口に提出して申請を行います。

保険者が保険組合の場合:勤務先の担当部署
保険者が協会けんぽの場合:その地域の支部宛に会社経由、もしくは自分で郵送

なお、申請書類を提出する際、休業期間中の給与支払いの有無についての勤務先による証明が必要です。

そのため、一般的には「毎月の給与締日を過ぎてからそれまでの分」をまとめて申請するのが良いでしょう。

申請書類を提出し終えたら、保険者による審査が行われ、無事に通過できれば傷病手当金が支給されるようになります。

まとめ

最後におさらいです。傷病手当金とは、業務外の事由による病気やケガが原因で働けなくなった場合に支給される手当金のことでした。

傷病手当金を受給するためには以下の4つの条件を満たす必要があります。

傷病手当金の支給条件

業務外の事由による病気やケガで療養している
労務不能と判断される
連続する3日を含む4日以上就労できない
休業期間中の給与支払いがない

上記を満たした上で、自分で申請手続きをしなければならないので気をつけましょう。

申請書類は、健康保険証に記載されている保険組合や協会けんぽの窓口に連絡すれば取得できるので、しっかり覚えておくようにしてください。

病気やケガが原因で休業中の人は、傷病手当金の利用を検討しましょう。

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